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錯体、有機金属化合物、有機化合物等、分子の単結晶X線構造解析が終了してCIFを手元にお持ちでしたら、*1標準的なWindowsパソコン1台とDV-Xα計算の入門書「はじめての電子状態計算 〜DV-Xα法分子軌道計算への入門〜」三共出版(2500円税別)さえご用意いただければ、あとは経済的な負担はなしに、DV-Xα法によって本格的な電子状態計算を行い、3D Visualization System VENUSでHOMOやLUMOなどの分子軌道を立体的に見て楽しむことができます。VENUSで分子軌道の描画が実現したことにより、DV-Xα計算結果のHOMOやLUMOなどの拡がり具合、形、位相などが、手に取るように一目瞭然となりました。さらにVENUSでは、等電子密度表面を静電ポテンシャルの大小により色鮮やかに彩色して眺めることもできます。この美しく、明快で、迫力ある三次元画像は、分子内に生じている電荷のかたよりの直感的な理解にとても役立ちます。
*1) 分子ではなく、固体化学で扱う固体材料などの場合は、書籍「はじめての電子状態計算」にCD-ROMで添付されているプログラムDISPLATによって、結晶のデータ(空間群、格子定数、座標)からクラスタ−モデルを容易に構築、DV-Xα計算を行うことができます。DISPLATは大阪大学の水野正隆先生が開発されたとても便利なプログラムです。
ご覧になっていただければ実感していただけるものと思いますが、このDV-Xα+VENUSにより、たいへん感動的かつ迫力ある図を、次々と簡単に得ることができます。CIFをお持ちでしたら、分子軌道や等電子密度表面静電ポテンシャル彩色画像の3次元可視化まで是非お試しください。
研究や教育に、この計算手法(DV-Xα&VENUS+contrd)は大変有用であり、ご活用されることを推薦いたします。特に、錯体・有機金属分子を自分で合成してX線構造解析結果を持っている研究室の学部・大学院の学生のみなさんは、ほとんど無償(DV-Xα書籍代2500円+税のみで、contrdとVENUSは信じがたいことに無料!)で公開されているこの極めて本格的で優れた道具:DV-Xα+contrd+VENUSを活用し、自分の錯体・有機金属分子の電子状態を自分で計算して眺めてみることをお勧めいたします。きっと計算して眺めて初めて得られる知見が多いことでしょう。
なお本マニュアルは、これからDV-Xα+contrd+VENUSを始めてみようとする方向けの、とりあえず第一歩の操作手順メモであり、プログラムのすべての機能を説明するものではありません(とりあえずCIFからDV-Xα計算を経てVENUSでの作画に至るまでの必要最低限の操作しか書いておりません)。DV-XαやVENUSのプログラムに習熟された後には、より発展的な興味深い使用方法がありますので、本マニュアルを利用される際にはその点予めご了承ください。
※このウェブページにリンクを張る際、許可請求は必要ありません。ご自由にどうぞ。
※DV-Xα法については、DV-Xα研究協会のDV-Xαホームページをご参照ください。
※DV-Xαプログラム一式は、書籍「はじめての電子状態計算」にCD-ROMで添付されております。全国の書店にて入手可能です(税別 2,500円)。鮮やかな黄色い色の本ですので、書店でもすぐに見つけることができます。
※上記書籍に付属しているCD-ROMのプログラム一式に加えて、「はじめての電子状態計算ホームページ」のダウンロードページより、DV-Xαプログラム一式(本体+各種周辺プログラム)のbug fix版、およびupdate版をダウンロードできます。
※3D Visualization System VENUSは、泉 富士夫先生の【泉 富士夫の粉末回折情報館】よりプログラム&マニュアルをダウンロードできます。
※contrdは大阪大学の水野正隆先生が開発されたプログラムです。泉富士夫先生の【泉 富士夫の粉末回折情報館】よりプログラム&マニュアルをダウンロードすることができます。
※MOLDA for Windowsは、広島大学・吉田弘先生の【MOLDA Home Page】よりプログラム&マニュアルをダウンロードできます。(※ 現在はできなくなりました)
※岡山理科大学・坂根弦太が開発したDV-Xαの便利な(ちょっとした)周辺プログラム集については、こちらでダウンロードできます。
※DV-Xα+VENUSによる錯体の電子状態ギャラリー 〜電子密度・静電ポテンシャル・波動関数の三次元可視化データ&画像集〜を公開いたしましたのでご覧ください。
※VENUSで描いた、錯体の等電子密度表面を静電ポテンシャルの大小で彩色した画像を、GIFアニメーションで動画にいたしました。こちらをご参照ください。
※VENUSで描いた、錯体の分子軌道を、GIFアニメーションで動画にいたしました。こちらをご参照ください。
※DV-Xα計算をより深く楽しむためには、様々な情報交換のできるDV-Xα研究協会へのご入会を是非ご検討ください。会員には年会(DV-Xα研究会)、ワークショップ、講習会等への参加 や会報(年2回)の無料受領(DV-Xα法の最新の成果や情報が集められています)など様々な特典があります。また学生の方は、入会金1,000円のみ、年会費無料でご入会いただけます。
以下の文章は、Windowsのパソコン(TOSHIBAのノートパソコンSatellite A11、Celeron CPU 2.40 GHz, 752 MB RAM, Microsoft Windows XP Service Pack 1)で、ハードディスクドライブが(C:)に1GB程度の空き容量がある環境を例に書いております(坂根の現在の計算環境です)。この程度の環境でとりあえずは十分です。
CPU速度は速いにこしたことはありませんが、遅くても計算はちゃんと回ります。
メモリ容量は512 MB〜1 GB程度が理想的です。
ハードディスクの空き容量は、計算する錯体の大きさとサンプル点数によって必要量が異なります。SCAT計算の時に、計算結果を一時的に書き込むファイル“F15”が生成されますが、このF15が書けるだけの空き容量があればよいことになります。
F15の容量は、サンプル点数に比例します。サンプル点数は多ければ多いほど計算精度が高まりますが、普通の錯体(原子数100前後)の計算では最終的に10万点程度でとりあえずは十分です(大雑把に言いますと、HOMO-LUMO近傍の分子軌道エネルギー準位で、誤差が0.1 eV以下といった程度の計算)。実際の計算では、最初は5万点程度でSCAT計算を収束させ、8万点、9万点、10万点とサンプル点数を増やしていき、計算結果(F08E)に有意の差が無くなることを確認します。サンプル点数10万点の時、F15のサイズは 数百 MB 〜 1 GB 程度です(錯体の大きさ(原子数)によって異なります)。
具体的な計算例はこちらをご覧ください。(1)原子数、(2)原子種数、(3)軌道数、(4)総電子数、(5)スピン分極、(6)MSCF、(7)サンプル点数、(8)F15ファイルサイズ、(9)10サイクルの計算時間、(10)対称軌道、その他を計算例ごとに具体的に掲載してあります。計算に用いた実際のF01、F05、F25等も掲載してあります(対称軌道なしの計算はF25は不要)。また、実際にVENUSで錯体の電子密度、静電ポテンシャル、波動関数を画面表示してマウスでグルグル動かすことができるように、必要なファイル(f01, c04d, f09, f39, *.vcs)をzipで圧縮して置いておきました。ダウンロード・解凍後、contrdを実行し、VENUSで3D画像をご鑑賞いただけます。
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・【5】DV-Xα入力データの準備 |
・【6】DV-Xα分子軌道計算 |
・【7】電子密度,静電ポテンシャル,波動関数の三次元可視化 |
・【8】等電子密度表面上の静電ポテンシャルの三次元可視化 |
※このウェブページは、これからDV-Xα計算を始めようとする方に役立つように、私の普段のDV-Xα計算操作をメモしたものです。それぞれのプログラムの正式なマニュアルは、プログラム作者の書籍やウェブページ等をご覧ください。
※DV-Xαプログラムは、DV-Xα研究協会のDV-Xαホームページおよび書籍「はじめての電子状態計算」、加えて「はじめての電子状態計算ホームページ」のダウンロードページを参照してください。
※VENUSは泉富士夫先生の【泉 富士夫の粉末回折情報館】に、MOLDA for Windowsは広島大学・吉田弘先生の【MOLDA Home Page】に、すべての情報があります。
※contrdは大阪大学の水野正隆先生が開発されたプログラムです。泉富士夫先生の【泉 富士夫の粉末回折情報館】よりダウンロードすることができます。contrdについては、ダウンロードしたcontrd.tbzに含まれているReadme_contrd.txtに、すべての情報が記載されています。