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私が読んで、得るところが多かった本を紹介いたします。
なお、紹介文は私的な感想ですのでその旨ご了承下さい。

2006年12月1日更新


も く じ

 ・周期表・元素  ・無機化学・錯体化学  ・化学の知識・話題
 ・化学実験・研究室  ・化学の情報処理・計算  ・科学英語・化学英語
 ・食品・医薬・環境  ・XPS・EPMA・表面分析  ・X線結晶学・放射線
 ・色・色彩・色素  ・化学の雑誌  ・化学の歴史・伝記
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 ・理科・科学・教育  ・科学・化学のQ&A  ・科学・化学の随筆・読み物


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理科・科学・化学教育
タングステンおじさん 化学と過ごした私の少年時代 オリヴァー・サックス著 早川書房2003年
 医学エッセーの名手として有名なOliver Sacksが少年時代を回想したもの。日常身近な化学的好奇心の種が次々と登場、そうそう、私もそう思った、と共感することが多く、改めて化学愛が深まります。
逆説・化学物質 John Emsley著 丸善1996年
 私も1年間滞在していた英国ケンブリッジ大学化学科の専属科学ライター:ジョン・エムズリー氏の素敵な化学書。「化学物質」は環境を汚す悪いやつ、危ない、そんなイメージは本当か?有機野菜は人気だが、有機ならいいのか?あなたの常識に挑戦します。
化学物質ウラの裏 John Emsley著 丸善1999年
 同じくジョン・エムズリー氏の化学書。森を枯らしたのは誰だ? 衣食住から毒物・環境問題まで、化学物質をめぐる楽しい話題が盛りだくさんにつまっています。
からだと化学物質 John Emsley著 丸善2001年
 同じくジョン・エムズリー氏の化学書。ある物質が安全か危険かは、その量・濃度で決まるのです。薬も飲み過ぎれば毒、栄養満点の美味しいご馳走だって食べ過ぎれば害になります。「化学物質」を正しく理解するための啓蒙書。
「化学物質」恵みと誤解 John Emsley著 丸善2005年
 同じくジョン・エムズリー氏の化学書。「化学○○」なら何でも危ない、「天然○○」なら何でも安全、そんな誤解が世の中に蔓延している。そうした「化学不信症」「化学恐怖症」を世の中から払拭するために、大学で「化学」を学んだみなさんが、大学を卒業してからの人生のいろいろな場面で、周りの人たちに正しく「化学物質」について説明して欲しい。上の3冊とあわせて、化学を専攻する皆さんには是非とも読んでいただきたい素敵な本です。
化学者 槌田龍太郎の意見 槌田敦・槌田劭編 化学同人1975年
 日本の錯体化学の開拓者の一人、槌田龍太郎先生の論文・随想集。何度読み返しても得るところの多い、興味深い書籍です。
科学的とはどういうことか 板倉聖宣著 仮説社1977年
 高校生向けの書籍ですが、読んだことのない方はご一読を勧めます。
化学のドレミファ(全10巻) 米山正信他著 黎明書房
 中学校2年生の時に私はこのシリーズの本を読んで、“理科好き”から一歩飛び出して“化学好き”になりました。あまりの面白さに夜も眠れずに興奮したのを思い出します。まだ読んだことがない方は、是非一読を。同シリーズで、物理のドレミファ(全6巻)、英語のドレミファ(全3巻)、数学のドレミファ(全?巻)もあります(物理のドレミファ第2巻や英語や数学のドレミファは米山先生以外の先生の著作本ですが、このシリーズはいずれの本もすべて読み出したら止まらない良書です。)。
 米山正信先生の著書は、この“化学のドレミファ”や“物理のドレミファ”以外にもいろいろあります。化学の本、心理学(カウンセリング)の本など、どれも読み出すと止まらなくなる優れた本ばかりです。米山正信先生の著書は、想定した読者の心の動きを的確に予想された上で執筆・構成されているのが特長だと私(坂根)は思います。私は学生時代、天文と化学と心理学が大好きでした。いずれも目に見えるようで見えないもの、あるいは見えているけど手にとっては触れない、といったものを対象とした想像力が要求される学問であり、それでも実験(経験)の積み重ねで研究を進めていくところに共通した魅力を感じました。闇鍋の探り箸といった楽しさでしょうか。
トムキンスの冒険・不思議宇宙のトムキンス ジョージ・ガモフ著 白揚社
 これも中学校時代に夢中になって読んだシリーズ。こんなにわくわくさせてくれる冒険小説はそうめったにありません。素敵な挿絵と共に空想を拡げれば、それが化学者としてのイメージトレーニングになります。例えば、自分が分子のサイズとなって、分子が漂う空間に身を置いた状況・場面の想像、自分が惑星や恒星、銀河のサイズとなって宇宙空間に身を置いた状況・場面の想像してみてください。自然科学は人間の五感を超えて空想の世界を旅してこそ、最先端の研究アイデアを思いつくことができ、その後理論の証明や実験の結果を得ることにより、最終的には五感を使って、その空想が真実であることを確認していく、こうした繰り返しで学問的発展を続けているのです。
科学入門 科学的なものの考え方 武谷三男著 勁草書房1970年(増補版1996年)
 中学校1年生になった時、この本を読んで私は“理科・科学”に人生を捧げたいと心から思いました。当時何十回も繰り返し繰り返し読み返した、私の原点となる本です。著名な歴史上の科学者が、ぶつかった問題に対してどのように一歩一歩掘り下げていったのか、これまでの考え方でうまくいかないときに、どのように一歩飛躍して新しい考えに行き着いたのか、創造的に考える才能を養いたい方に。
物理学と私 朝永振一郎著作集2 みすず書房1982年
 読みやすい文体の中に、キラリと光る発見がある本です。
科学との出会いをもとめて 三石巌全業績1 現代書林1982年
 この本も面白い。読み出したら止まらない。
化学するアタマ 論理的思考力を鍛える本 J. Garratt, et al., 化学同人2002年
 原題:“A Question of Chemistry”化学の問題を論理的に考えるトレーニング読本。暗記より思考力。
理科学検定 理検 実物過去問題集 No.1, 2 日本理科学検定協会2001年
 理検とは、理科(科学)の総合能力を検定するもので、6級から1級まで8階級があります。1997年に初めて実施された検定制度で、まだ試行期にある検定制度ですが、興味ある人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
仮説実験授業のABC 楽しい授業への招待 第4版 板倉聖宣著 仮説社1997年
 理科の先生を目指している方なら、面白いと思います。
仮説実験授業の考え方 アマチュア精神の復権 板倉聖宣著 仮説社1996年
 教育研究を専門家の手から取り戻す試み。「たのしい授業」とは?
科学と方法●科学的認識の成立条件 板倉聖宣著 季節社1969年
 私の愛読書の1つです。著者の語る言葉のあちこちにより、私は私自身の“科学的認識”に対する認識が深まりました。
科学と仮説 仮説実験授業への道 板倉聖宣著 季節社1971年
 科学とその教育に関心のある方なら、得るところの多い本だと思います。
化学 物質の世界を正しく理解するために 重松栄一著 民衆社 2000年
 生徒(学生)に届く著者の言葉で、省略せずに丁寧に、化学全般を説明してある貴重な本。著者の高等学校での化学の教授経験が密度濃く詰まっており、中学や高校の先生を目指している方には大いに役立つ。
科学新入門 科学の学び方・教え方 板倉聖宣著 太郎次郎社 1975年
 例えば第12話「科学の本の読み方・読ませ方」は、私は大いに共感しました。この本は、的を射た、心を動かされる内容が一杯詰まった、私が大好きな本のひとつです。
化学と教育−その実践 アルケミストの会 編 地歴社 1982年
 高校化学の先生達によって書かれた本です。授業では説明の順序、説明の仕方がとても大事で、一朝一夕には得難いその経験を、著者達が豊富な経験に基づき公開しています。
化学指導法事典 玉田泰太郎・三井澄雄 編 むぎ書房 1982年
 それぞれの単元を、どんな教材で、どう説明したらよいか、豊富なデータがコンパクトによくまとまっており、化学の先生を目指している方には、事典として貴重かと思います。
高校化学の教え方−暗記型から思考型へ− 日本化学会 編 丸善 1997年
 日本化学会に属する大学の先生方が執筆されており、高校の先生方へ、こんな教え方はいかがでしょうか、という前向きな提案が満載されている。
教育現場からの 化学Q&A 日本化学会 編 丸善 2002年
 教育現場で説明に困ったとき、この本を開けば、ズバリの解答が見つかるかもしれません。

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化学の知識・話題・基礎
新化学読本 化ける、変わるを学ぶ 山崎幹夫著 白日社 2005年
 なじみ深いいくつかの物質について、化学の言葉を使って深い知識を提供してくれます。一つ一つの化学物質について深く知ることにより、化学はどんどん面白くなってきます。
化学物語25講 生きるために大切な化学の知識 芝哲夫著 化学同人1997年
 銅と文明、鉄と生活、貴金属の利用、重金属と人間など、身近な化学の物語を明瞭簡潔に紹介してくれる本です。
忘れていませんか?化学の基礎の基礎 別冊化学 化学同人 1994年
 化学といっても分野は広く、1人の人間が網羅するのはなかなか大変。化学の世界でよく使うキーワードを、著名な先生がわかりやすく解説してくれる貴重な本。
環境・エネルギー・健康20講 これだけは知ってほしい科学の知識 今中俊信・廣瀬良樹著 化学同人2000年
 21世紀、社会に対して化学が担う役割はどんなことか・・・地球環境、各種エネルギーなど、人間の生活に関わる化学の知識を提供してくれる本。
CMをにぎわしたヒット商品 「化学」編集部 化学同人1997年
 ヒット商品の化学的カラクリと開発の舞台裏を紹介してくれる。企業で開発研究を目指す人たちには好適の書。
ナノテクが日本を救う 池澤直樹著 講談社2002年
 ナノテクノロジー・・・最近、新聞雑誌等でよく目にするこのキーワードは、実は化学の最先端。日進月歩のこの分野を概観するには好適の書。
基礎固め 化学 小島一光著 化学同人2002年
 高等学校で化学を学習していない大学1年生向け。大学で化学を学ぶにあたって、必要最小限の内容を短期間に効率的に学習するための教科書。
化学の基礎77講 東京大学教養学部化学部会 東京大学出版会2003年
 基礎的な項目を、ひとつひとつ簡潔に解説。より深い専門書の前段階として好適書。

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無機化学・錯体化学・無機合成
基本無機化学 荻野博ほか著 東京化学同人2000年
 広い無機化学の分野がよくまとまっている素敵な教科書。
ベーシック無機化学 鈴木晋一郎、中尾安男、櫻井武著 化学同人2004年
 膨大な無機化学の各論の中から、現代社会で役に立つ題材を厳選・抜粋してまとめられた良書。
新しい錯体の化学 斎藤一夫著 大日本図書1986年
 私が本学に入学した時(昭和61年4月)に出版された本です。読みやすい日本語で流れるように、錯体化学の基本から応用まで一挙に読み進めることが出来ます。私は大学入学時から4年生になったら錯体化学の研究室に入りたいと思っていたので、この本は繰り返しよく読みました。大学院に入って、学会で本物の斎藤先生に会ったときには、感動してしまいました。
集積型金属錯体 北川進著 講談社サイエンティフィク2001年
 錯体化学は、単核錯体、複核錯体、多核錯体と進化し、いまや集積型錯体の時代。錯体化学の最先端に触れられる一冊。
集積型金属錯体の科学 大川尚士、伊藤翼編 化学同人2003年
 「集積型金属錯体」の最近の研究成果をまとめた本。日本各地の研究室での熱気溢れる錯体化学研究の一端を垣間見ることができます。
入門 無機化学 森正保著 朝倉書店2001年
 親しみやすい文体、興味を引かれる話題も豊富で、無機化学を楽しくしてくれる好書。
基礎 分析化学 今泉洋ほか著 化学同人1998年
 実験室ですぐに役立つ分析化学の基礎的な原理や理論が、とてもわかりやすくまとまっています。
コンビナトリアルケミストリー コンビナトリアルケミストリー研究会編 化学同人1997年
 効率的な合成とは? こどもの時に遊んだブロックと一緒で、分子を構築する時には無数に可能性がある。そんな可能性の中から、いかに有用な物質を効率的に合成するか、革命的な手法をこの本は教えてくれます。
新しいクラスターの科学 ナノサイエンスの基礎 菅野暁ほか編 講談社サイエンティフィク2002年
 クラスター科学の基礎、金属クラスターの合成、物性、反応性、電子状態、磁性など。クラスター研究者向け専門書。
溶液を反応場とする無機合成 永長久彦著 培風館2000年
 錯体化学の実験室で一般的な、“溶液”を反応場とする無機合成に関する参考書。大学院生向き。
教師のためのケミカルデモンストレーション2 化学発光・錯体 Bassam Z. Shakhashiri著 丸善1997年
 ルミノールの化学発光、コバルト錯体の色の変化など、興味深い実験の解説書。化学科3年次開講の無機化学実験で、この中のいくつかの実験を行っています。
典型元素の化学 W. Henderson著 化学同人2003年
 無機化学があまりに多種の元素を扱っているため、通常の無機化学の教科書ではページ数の制約から本来重要な元素についての各論が疎かになりがちである。本書は典型元素に的を絞り、それでもアルカリ金属、アルカリ土類金属、12族元素、13族元素、14族元素、15族元素、カルコゲン、ハロゲン、希ガスなどについて、必要最低限の知識を紹介している。
錯体化学会選書1 生物無機化学 −金属元素と生命の関わり− 増田秀樹・福住俊一編著 三共出版 2005年
 生物無機化学について、最新の情報が掲載されています。

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周期律・周期表・元素
周期表の化学 斎藤一夫編 岩波書店1979年
 元素の起源から始まって原子の性質、単体の性質、化合物の性質という順に流れるように講義が進行、読みやすく理解しやすく、私が好きな教科書の1冊です。
元素の話 斎藤一夫編 培風館1982年
 大木道則先生編集の化学の話シリーズ1。人類の化学史にそって、元素とは何かという概念の生成から周期表や新元素の発見まで、豊富な図表とわかりやすい文章で解説。宇宙の歴史と元素の合成、地球化学にも触れている。コンパクトながら、大事なことがぎっしりつまっている完成度の高い本です。
電子構造と周期律 中原勝儼著 培風館1976年
 最初に原子の電子構造を知り、周期表で体系づけられている元素の性質が、化学結合に重要な役割を果たしていることを理解する。最後の周期表の歴史の章も、よくまとまっていて興味深い。
メンデレーエフの周期律発見 梶雅範著 北海道大学図書刊行会1997年
 著者の学位論文がもとになった書。豊富な歴史的資料と解説で、興味深く読み進められる。
化学の原典8 元素の周期系 日本化学会編 学会出版センター1976年
 編者あとがきにはこうある。「元素周期系は、いわば一つの偉大な書−たとえば聖書のような−である。それを読む人の態度、能力に応じて、そこからさまざまな知識や真利をくみ取ることができる。先人の気付かなかった新しい解釈を引き出すこともできる。」 化学の究極の真理を具現化しようと人類が約一世紀半にわたって探求した過程から、特に有名な原著論文を集めて収録。原著はロシア語、ドイツ語、英語などであるが、すべて日本語に訳されており、生々しい当時の興奮が読み取れる。
IT'S ELEMENTAL: the periodic table CHEMICAL & Engineering News, September 8, 2003.
 アメリカ化学会の会員に配布される雑誌"C&EN"の2003年9月8日号。C&ENの80周年記念号で、一冊まるまる周期表の元素の最新情報で埋め尽くされている永久保存版。8月に名前の決まった110番元素ダルムスタチウムも掲載されている。
元素と周期律 井口洋夫著 裳華房1969年
 私の年齢とほぼ同じ書籍ですが、昭和53年に改訂版が出て現在も売れ続けている名著。水素原子の量子化学的考察から始まり、元素の起源、周期表、元素各論へと流れる正統派の教科書。
周期系の歴史 上巻・下巻 J. W. van Spronsen著 三共出版1978年
 元素の周期系や元素自身の発見の歴史を詳細に記載。いつ誰がどのように考えて現代に至っているのかという周期系の歴史が詳細にたどれます。
周期律−元素追想(日本語版), The Periodic Table(英語版) Primo Levi著 工作舎1992年(日本語版), Schocken Books 1984(英語版)
 原著本はイタリア語。戦時中、アウシュヴィッツ体験をもつイタリアの化学者の自伝的短編集。各篇のタイトルが元素名となっており、全21篇で文学の周期表を形づくるという趣向。各篇ではタイトルの元素にまつわる想い出が語られ、文学的かつ化学的かつ詩的な世界が展開されている。
金属と地名 谷川健一編 三一書房1998年
 民俗学・歴史学・考古学の各分野から地名と金属の関係を深く掘り下げ、古代の金属文化伝承の深層を明らかにする論集。鉄、銅、金、水銀、鉛など古くから知られていた金属と現代に残る地名との関係の考察は、日本列島における化学の歴史でもあります。
元素の王国 Peter Atkins著 草思社1996年
 草思社の本はそもそもハズレが少なく良書が多いのですが、全22巻のサイエンス・マスターズシリーズも絶妙なテーマ設定に思わず手にとって読みたくなります。なかでも本書は「アトキンス物理化学」でおなじみの英国オックスフォード大学のピーター・アトキンス先生が、周期表と元素についてその不思議と魅力を軽妙に語ってくれます。
元素の発明発見物語 板倉聖宣編 国土社1985年
 子ども向けの自然科学啓蒙書ですが、元素発見の歴史物語の感動を読みやすい文で伝えてくれます。子ども向けとはいっても内容はしっかりしており、大学生が読んでも遜色ない化学史(元素史)入門書。幻の新元素ニッポニウム発見の物語などは、本書は数ある書籍の中でも詳しい1冊に数えられるでしょう。ニッポニウムについては、吉原賢二著“科学に魅せられた日本人”岩波ジュニア新書372も詳しく載っています。
元素の小事典 高木仁三郎著 岩波書店1982年
 岩波ジュニア新書49。元素の各論をコンパクトにまとめてあります。
元素111の新知識 桜井弘著 講談社1997年
 ブルーバックス B-1192。元素の各論本としては最高峰の面白さ。読みやすい文体と具体的な情報がてんこ盛り、元素の事典というよりは元素の短編集といった感じです。シャーロックホームズファンがその短篇をわくわくしながら繰り返し読むように、本書は元素ファンならどの元素の項目でも繰り返し読んで楽しい本です。
元素を知る 吉村勝夫著 丸善1994年
 元素発見の経緯から現代における利用まで、元素ごとにコンパクトに記載。
化学元素のはなし B. カレーリン他著 東京図書1987年
 こんなことがあったのかと思わずひざを打つ歴史上のエピソードをまじえ、化学の世界のなぞを一つ一つ解き明かす。
化学元素発見のみち D. N. Trifonov, V. D. Trifonov著 内田老鶴圃1994年
 元素ごとに、その発見の歴史を詳細に記載。
食品の微量元素含量表 鈴木泰夫編 第一出版1993年
 四訂ニホンショクヒン標準成分表に記載されている食品の大部分について、Al, As, B, Ba, Be, Bi, Cd, Co, Cr, Cu, Ga, Ge, Li, Mg, Mn, Mo, Ni, Pb, Sb, Sc, Se, Si, Sn, Sr, Ti, Tl, V, Znの含量を分析。
元素発見の歴史1・2・3 ウィークス・レスター著 朝倉書店
 全3巻、元素発見史の大著。
原子とつきあう本 原子(元素単体)のデータブック 板倉聖宣著 仮説社1985年
 著者考案の立体周期表を土台に、原子、元素(単体)について興味深い話題を提供。子どもから大人まで、周期表と元素に親しめるようになる一冊です。原子記号と原子の名前の覚え方も掲載。
THE CURIOUS QUANTUM Lee Bulbrook著 Tarquin Publications 1996
 イングランドの出版社の本です。ハサミで切り抜いてのりで組み立てて、立体周期表や分子モデルを組み立てることができます。値段は£3.20でした。
THE CHEMICAL HELIX Gerald Jenkins, Magdalen Bear著 Tarquin Publications 1999
 同じくイングランドの出版社の本です。110番元素まですべて含んだ、巨大な立体周期表を組み立てることができます。作り上げれば誰もが感動、部屋の化学的インテリアとしても最適です。
元素の発見物語(第9 化学のドレミファ) 米山正信・高塚芳弘共著 黎明書房 1981年
 子ども向けの本ですが、化学のドレミファの他巻と同様、頭の中でイメージを描きやすい軽妙な会話形式で物語が進行、読み始めるとすぐに物語の世界に没入できます。
なかよしいじわる元素の学校 宇宙の物質 元素の世界 かこさとし著 偕成社 1982年
 子ども向けの絵本ですが、周期系の歴史から周期表、元素、単体の性質、元素命名、元素分布まで、豊富な絵と平易な文で紹介。
化学元素百科−化学元素の発見と由来− 岡田功著 オーム社1991年
 元素の生い立ちと、元素名制定のいきさつや語源の解説に重点をおいて編集された元素各論本。
元素の事典 大沼正則編 三省堂1985年
 元素の発見史を中心に、元素の雑学的情報をまとめてある本。
有機金属反応剤ハンドブック LiからBiまで 玉尾皓平編著 化学同人2003年
 有機合成化学でよく使われている主要な元素について、元素の基本的性質、有機化学的特徴、代表的な化合物の合成法および安定性・反応性、有機合成への応用の基本的考え方、および応用例、を簡潔にまとめた本。
元素の事典 馬淵久夫編 朝倉書店1994年
 元素の本格的な事典。約300頁。
元素の百科事典 John Emsley著 丸善2001年
 元素の大事典。といっても専門家(化学者)向けのデータ集ではなく、一般向け文章でその歴史、応用、物性、エピソードなどを詳細に紹介してある。元素名も日本語、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、中国語の各国語で掲載。かなり高額なのですが、役に立つので購入してしまいました。

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宇宙・天文・地学・地球化学・鉱物学
COSMOS カール・セーガン著 朝日新聞社1980年
 極小の化学、極大の宇宙。宇宙への興味関心は、化学への好奇心と無関係ではありません。この本も私の原点となる本。朝日新聞に連載当時に読んで感動し、単行本は繰り返し繰り返し読みました。
ホーキング、未来を語る スティーヴン・ホーキング著 角川書店2001年
 Cambridge滞在中、街中で何度もホーキング博士を見かけました。脳味噌の中の思考実験で未知を切り開いていく博士には、思わず感動してしまいます。
たのしい鉱物と宝石の博学事典 掘秀道編著 日本実業出版社1999年
 鉱物と宝石に関する知識は、無機化学の土台の一部でもあります。本書はその入門として、鉱物学=天然無機化学に対しての好奇心に火を付けてくれるでしょう。
楽しい鉱物図鑑 掘秀道著 草思社1992年
 読んで、観て、楽しい図鑑と銘打たれているように、素晴らしい一級品の標本の写真と詳細明快な解説がつまった図鑑です。元素単体、硫化物、酸化物、炭酸塩、ホウ酸塩、硫酸鉛、タングステン酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩等々、無機化学を学ぶ者から見て違和感ない整理整頓がなされ、天然無機化学の百科事典として完成度の高い書です。
楽しい鉱物図鑑(2) 掘秀道著 草思社1997年
 楽しい鉱物図鑑の続編。楽しい鉱物図鑑で登場した鉱物の亜種・変種に加え、新たに多くの鉱物が紹介されている。鉱物・無機化学の基礎知識(専門用語)も自然と理解できる、見て、読んで、楽しい図鑑。読んでいるうちにはまってしまって自分でも鉱物を集めたくなる人も多いのでは。
天然無機化合物 鉱物の世界 佐々木信行・綿抜邦彦共著 裳華房1995年
 化学史を振り返れば、無機化学はもともと地球化学=鉱物学であった。現在の無機化学では宇宙開闢から地球生成に至る元素合成の物語から始まり、周期表の元素すべてを取り扱う。実験室では単離された単体や化合物を用い、その性質や反応性を議論する。しかし見方を変えれば、周期表の元素の集合体である地球で繰り広げられている反応とその結果は、無機化学そのものでもある(実験室に比べて、反応系が複雑で、生成物の純度が悪い場合も多いが)。天然の無機物質=鉱物を無機化学と同じ土台で論じた本。
地球化学 松尾禎士著 講談社サイエンティフィク1989年
 地球も火星も木星も太陽も、おおいぬ座のシリウスや乙女座のスピカまでも、周期表の元素でできている。普段、なかなか実感として意識できていないが、化学の適用範囲は宇宙全体に及ぶのだ。地球や宇宙物質の起源、進化、移動などの化学像を描く。
入門生物地球化学 山中健生著 学会出版センター1992年
 微生物と人間と地球の切っても切れない関係を紹介する。地球上で窒素や炭素や硫黄は、巡り巡って循環しているらしい。生物地球化学(biogeochemistry)入門書。
地球化学入門 半谷高久編著 丸善1988年
 地球の歴史を支配する機構は、初期には物理化学的因子であり、次の時代には生物学的因子が加わり、さらに原題では社会科学的因子が絡み合っている。本書は、地球化学の基礎、有機地球化学、生物地球化学、社会地球化学の章を設け、それぞれの機構の特徴を解説。若い研究者が地球化学への感心と理解を深めるための入門書。
考古学と化学をむすぶ 馬淵久夫ほか編 東京大学出版会2000年
 歴史と文化に迫る科学の最前線!岡山理科大学敷地内の朝寝花貝塚についても記載されています。同じ編者による関連図書の“考古学のための化学10章”、“続 考古学のための化学10章”も興味ある人にはお奨め。

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生物・食品・医薬・環境
ヘテロ環の化学 医薬品の基礎 國枝武久ほか著 化学同人2002年
 炭素以外の原子(窒素、酸素、硫黄など)を含む環式化合物についての本です。身近な化合物はこんなにもヘテロ環化合物だったのかとビックリします。私も現在、ヘテロ環化合物が配位した錯体の研究をしております。
フードサイエンス 大森正司ほか著 化学同人1997年
 食品は、私たちが生きていくうえでとっても身近な化学物質。広く浅く、食べ物に関する化学を紹介。
化学者のための薬理学 J. G. キャノン著 地人書館2001年
 お腹が痛くなれば胃薬、風邪を引けば風邪薬と、私たちは薬の恩恵を受けて暮らしている。創薬研究に携わる化学者が、医学・生物学分野に踏み込んで“薬理学”を勉強するときに役立つ参考書。かなり高度な内容に思えるが、興味を持って接すれば発見の多い書。
生命と環境のゆくえ 木村光著 化学同人2000年
 バイオテクノロジー研究の第一人者が、自然について、人間について、その行く末に思いを馳せる。
マッキー 生化学 分子から解き明かす生命 (第3版) Trudy McKee, James R. McKee著 化学同人2003年
 どんどん新しいことがわかっている分野を学ぶには、常に最新の情報を入手する努力が必要です。この教科書は、例えばプリオン(いわゆる狂牛病の原因物質)についても記載されているなど情報が新しく、図も美しく、学ぶ意欲を書き立てられる教科書です。

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色・色素・顔料染料
色素の化学と応用 松岡賢著 大日本図書1994年
 伝統的な色素化学で培われてきた色素合成化学に、新しい機能性色素材料科学を加えて、分子レベルでの色素の構造と機能の関係に重点をおいて、わかりやすく解説されています。
高機能性色素とその応用 別冊化学工業 30-20 化学工業社1986年
 フタロシアニンを中心に、さまざまな顔料、機能性色素について解説。非線形光学材料、カラー写真、触媒、化粧品、陶磁器などへの応用が興味深い。
色彩科学 色素の色と化学構造 飛田満彦著 丸善1998年
 色とは何か? 色素化学および物理化学の立場から、色と化学構造との関係について体系化を試みた書。
新版 色の手帖 永田泰弘監修 小学館2002年
 色見本と文献例でつづる色名ガイド。JIS「物体色の色名」に定める269の慣用色名をすべて収録、伝統的な色名に加えて新しい外来語色名も採録。
やまとうるわし 色いろの風景 野呂希一著 世界文化社2002年
 日本の美を色でつづる、新しい日本風景論。日本はこんなに美しい色に溢れている。心落ち着く風景写真集。
絵画材料ハンドブック ホルベイン工業技術部編 中央公論美術出版1997年
 絵の具、顔料のの成分が詳しくわかります。無機化合物、有機化合物は、こんなにもカラフルなのかと驚きのデータ集。
わかりやすい機能性色素材料 詫摩啓輔ほか著 工業調査会1999年
 機能性色素を理解する上で重要な光の性質から、実際の応用例までをやさしく解説。
機能性顔料 CMCテクニカルライブラリー シーエムシー 1991年
 無機顔料、有機顔料の研究開発動向と用途展開の現状、将来展望がわかります。
機能性色素の応用 CMCテクニカルライブラリー シーエムシー 1996年
 機能性色素の研究開発動向と用途展開の現状、将来展望がわかります。
エレクトロニクス用機能性色素 CMCテクニカルライブラリー シーエムシー 1998年
 機能性色素の研究開発動向と用途展開の現状、将来展望がわかります。
機能性色素の分子設計 時田澄男ほか著 丸善 1989年
 PPP分子軌道法で設計する機能性色素分子。
機能性色素 大河原信ほか著 講談社サイエンティフィク 1992年
 機能性色素の合成法、構造、物性、そしてその応用を解説。
生化学の魔術師−ポルフィリン− 森正保著 裳華房 1990年
 血液の赤や木の葉の緑の原因はポルフィリンである。身近で奥の深いポルフィリンの面白さに、読み出したらやめられません。
感光色素 日本感光色素研究所編 産業図書 1997年
 現在のハイテク社会を、いかに感光色素が支えているか、よくわかります。CD-R、DVD-R、レーザー、写真・・・。
クロミック材料の開発 市村國宏監修 シーエムシー 2000年
 色が可逆的に変わる・・・それだけでなんて興味深く役に立つか、本書のページをめくればよくわかります。
機能性色素のはなし(ポピュラー・サイエンス 269) 中澄博行著 裳華房 2005年
 機能性色素の現状と将来展望を、平易な文体で解説。2005年現在の新しい情報も満載です。
ディスプレイ材料−プロセスと化学 野々垣三郎・山元明著 大日本図書 1995年
 ディスプレイの発光材料として使われている蛍光材料、およびそれを光らせる仕組みについて詳説。
テレビが変わる−化学の役割 日本化学会監修 丸善 1999年
 テレビ画面の開発に、化学がいかに重要であるかが実感できます。化学、電気、機械など、異種他分野の多大な協力により、新しい電化製品が開発・製品化されていくのです。
有機ELのはなし 吉野勝美著 日刊工業新聞社 2003年
 有機化合物・錯体・高分子化合物などに、電圧をかけることにより、光るのです。これが有機ELディスプレイとよばれるものの発光原理です。
高分子有機EL材料−光る高分子の開発− 高分子学会編集 共立出版 2004年
 小型表示素子から大型テレビ、照明用途へと実用化が目前の有機EL分野の最新情報が満載。
有機ELビジネス最前線 吉田広幸ほか著 工業調査会 2002年
 すでに国内の数多くの企業が有機ELビジネスに参入しています。その現状と将来展望を分かりやすく解説してあります。
有機ELのすべて 城戸淳二著 日本実業出版社 2003年
 薄型高性能の平面ディスプレイとして、薄型高性能の面光源として、有機EL技術は人類の生活を変革する可能性を秘めています。有機EL技術の現状と問題点、有機ELビジネスとしての日本の国家戦略まで、著者が熱く語ります。
有機ELディスプレイ 時任静士・安達千波矢・村田英幸共著 オーム社 2004年
 有機EL素子の構造、発光材料などについて、世に公開されている情報を丁寧に整理してあります。有機EL発光材料の開発が、まさに化学の合成の仕事であることがよく分かります。
新版・食用天然色素 藤井正美監修・清水孝重・中村幹緒共著 光琳 2001年
 巻頭の推薦の辞に、「欧米人は鼻,日本人は目で食欲を感じると言われている。」とあります。確かにそのような傾向はあると私も感じます。本書は天然に存在する植物、動物などを原料とする食用色素について、豊富なデータがよく整理されています。
食品色彩の科学 齋藤進編著 幸書房 1997年
 美味しそうに見える食品の色について、理論と測定データに基づき、科学的な説明がなされています。
食品と色 片山修・田島眞共著 光琳 2003年
 美味しそうに見える食品の色について、理論と測定データに基づき、科学的な説明がなされています。
動物の色素 多彩な色彩の世界 梅鉢幸重著 内田老鶴圃 2000年
 昆虫、鳥類、魚類などの鮮やかな色彩を見るにつけ、化学者としては、その色の原因となっている色素の分子構造や電子状態に学問的な興味を感じ、機能性色素材料としての可能性に夢を感じます。本書は動物の色素のデータに関して、化学的な視点からよく整理されています。
カイガラムシが熱帯林を救う 渡辺弘之著 東海大学出版会 2003年
 ラックカイガラムシ、コチニールカイガラムシに関する一般向け啓蒙書。コチニールカイガラムシの実物を見てみたい方は、坂根のところにありますので、22号館6階まで訪ねてきてください。

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X線結晶学・放射線化学
X線結晶解析の手引き 桜井敏雄著 裳華房1983年
 単結晶構造解析を自分でしようとする方には、バイブル的な書。本学には構造解析装置が何台もあるので、卒業研究の対象として興味のある人は是非一読を。単結晶X線回折装置のある研究室に入った方は、この本を片手に、まずは最初は簡単な構造のものでもよいので、どんどん試料を測定して最後まで解析してみることです。慣れてからまたこの本を読み直せば、きっと一段と深い理解が得られます。単結晶X線回折装置を見学希望の方は、随時坂根まで訪ねてきてください。
回折 第4版 実験化学講座10 丸善1992年
 X線回折を全般的に取り扱った好書。
有機結晶作成ハンドブック 平山令明著 丸善2000年
 単結晶X線構造解析を行うには、まず良い単結晶を成長させなくては始まりません。錯体化学研究室でも、日々良い単結晶の生育に苦労を重ねています。
粉末X線解析の実際−リートベルト法入門 中井泉・泉富士夫編著 朝倉書店2002年
 粉末X線回折法の基礎から具体的な研究手法までが具体的に記述されています。粉末X線回折装置のある研究室に入った方は、この本を片手に、まずは最初は簡単な構造のものでもよいので、どんどん試料を測定して最後まで解析してみることです。慣れてからまたこの本を読み直せば、きっと一段と深い理解が得られます。

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XPS・UPS・EPMA・表面分析
実用 高分子表面分析 黒崎和夫ほか著 講談社サイエンティフィク2001年
 高分子表面・界面に関する諸問題を広範囲に取り上げ、それらの問題の解決のためにどのような表面分析手法をどのように取り入れていくのか、資料調製、則的、データ処理、データ解析を正しい手順で行うためのコツをユーザーの立場から説明。
EPMA electron probe microanalyzer 木ノ内嗣郎著 技術書院2001年
 電子プローブ・マイクロアナライザーの基礎から応用まで。本学総合機器センターでEPMA測定する方には好適の書。

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新素材・材料・高分子
粒の世界あれこれ (社)日本粉体工業技術協会 造粉分科会編 日刊工業新聞社2001年
 豊富な写真とイラストで、身近に存在している粒子の世界を探検させてくれます。
第4版 これだけは知っておきたい新素材・新材料のすべて ニューマテリアル研究会編 日刊工業新聞社1998年
 新素材・新材料の進歩は、人類の科学文明の花形です。しかし分野も広く進歩も早いだけあって、その最新情報を身につけるのは至難の業。この本を読めば新素材・新材料の最新情報が楽しく頭に入ります。
材料有機化学 伊与田正彦著 朝倉書店2002年
 機能性色素、液晶、有機EL素子用材料、有機電導体、有機磁性体など、興味深い時代の最先端材料について概説。

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量子化学・分子軌道法
はじめての電子状態計算 DV-Xα分子軌道計算への入門 足立裕彦監修 三共出版1998年
 重金属をいくつも含むクラスター錯体でも、DV-Xα法ならパソコンで電子状態計算が出来ます。この本にはWindowsでDV-Xα法を計算するためのプログラムもCD-ROMで添えつけられており、すぐに計算を始めることが出来ます。
計算化学ガイドブック 3大分子計算プログラムの解説 大澤映二ほか訳 丸善1988年
 MMP2、MOPAC、GAUSSIANを例に取り、具体的にプログラムの使い方を説明してくれる。
分子設計のための量子化学 西本吉助・今村詮編 講談社サイエンティフィク1989年
 実際に分子軌道計算を始めようという方には、きっと役立つ一冊です。
分子の対称と群論 中崎昌雄著 東京化学同人1973年
 分子の対称が高ければ、分子軌道計算で負荷は軽くなり、計算結果の解釈も容易になります。
有機化学の学校 山口達明著 三共出版2003年
 名著「有機化学の理論−学生の質問に答えるノート−」の著者でもある千葉工業大学の山口達明先生による著作。化学の初歩の核心部分を大学教授と大学入試に合格したばかりの学生との対話形式で解説。現代の化学が量子化学に関する知識を基本・土台としていることがよく分かります。
図解 量子論がみるみるわかる本 文化系の人でもすぐ理解できる! 佐藤勝彦監修 PHP研究所 2004年
 現代の化学の基礎である量子論の世界がどんなものか、まずはイメージ作りから入っていきたいという方にはお薦めの本です。数時間で読破できる読みやすい本ですが、その内容はとても奥深いものです。本書で量子論に興味がわいた人は、本格的な専門書を是非読んでみてください。

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化学英語
科学者のための英文手紙の書き方 黒木登志夫・F・ハンター・藤田著 朝倉書店1984年
 どうしても英文で手紙を書かなければいけないとき、この本は役立ちます。
アクティブ科学英語 多田旭男ほか著 三共出版1997年
 どうしても英語で学会発表しなければならないとき、この本は役立ちます。
リーディング科学英語 小沢昭弥ほか監修 化学同人1995年
 どうしても英語の化学論文を読まなければいけないとき、この本は役立ちます。
Judy先生の耳から学ぶ科学英語 野口ジュディー著 講談社サイエンティフィク 1995年
 ニッケルのことを英語で「猫!」と言うのは知っていますか?本書にはCDがついており、元素名、無機化合物名、有機化合物名など、英語でどう発音するかを聞くことができます。
Understanding Basic Science 総合教材」科学の基礎を英語で読む 岡本糸美・中野修一・畠中康男編集 G. Hill and J. Holman著 英宝社 2005年
 外国語を学ぶには、努力が必要です。しかしその努力も、外国語を学ぶ必要性に迫られていないと、なかなか続きません。化学(科学)の世界で勉強・研究・仕事をするためには、英語は必要です。本書は科学の面白い内容で英語の勉強ができるように編集されており、内容の面白さに引きずられて英語が学べる仕組みになっています。
英語のニーモニック〜円周率から歴史年号・イギリス王室まで 覚え歌大集合 友清理士著 研究社 2001年
 英語圏の学生も、試験前に覚えなくてはいけないことを、語呂合わせで覚えるのですね。第6章 化学編には、元素の周期表、元素の存在度、イオン化傾向、原子軌道(s軌道、p軌道、d軌道、f軌道)を記憶する術が載っています。

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情報処理・プログラミング
第4版 化学文献の調べ方 泉美治ほか監修 化学同人1995年
 ケミカルアブストラクツ、バイルシュタイン、グメリンなど、化学文献検索には必須の道具について、必要な情報が豊富に掲載されている本。
ChemDraw7.0徹底活用ガイド 有田正博著 化学同人2002年
 CambridgeSoft社の化学ソフト(ChemOffice/Windows)、ChemDraw, Chem3D, ChemFinderの解説本。
インターネット時代の化学文献とデータベースの活用法 神戸宣明監修 化学同人2002年
 化学研究に携わる人の必携書。
化学のためのインターネット活用法 生田茂ほか著 講談社サイエンティフィク2000年
 役に立つURLが発見できるかもしれません。

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化学実験・研究室生活
おもしろ化学マジック Leonard A. Fordほか著 白揚社1999年
 本書は、1960年に白揚社から出版されていたL.A.Ford著「化学マジック」の改訂版。私は中学校、高校時代、自由に化学実験できる環境に恵まれ、この本に載っているほとんどの実験を自分でやってみて、さらにそれぞれの実験を改良などする過程で、化学に対して深い感銘を受けました。
実験室の笑える?笑えない!事故実例集 田中陵二・松本英之著 講談社サイエンティフィク2001年
 洒落にならない危険な事故の実例集。実験室で安全に生き抜くためには、必読の書。
化学ラボガイド 渡辺正編著 朝倉書店2001年
 実験室の現場で必要な情報を広く掲載。
新版 実験を安全に行うために 化学同人編集部 化学同人1993年
 “新版 続・実験を安全に行うために”も併せて、実験室では必携。
事故から学ぶ 化学災害の防止対策 奥田欽之助著 日刊工業新聞社2000年
 化学の実験に限らず事故・災害は、思わぬ時に突然発生するものです。しかし化学の実験の事故・災害は、正確な知識と怠りのない操作でその発生を未然に防ぐことができます。化学災害の実例を紹介し、なぜその災害がおこったのかを追求、安全対策のためにこの本はとても役立ちます。
有機化学実験の事故・危険 −事例に学ぶ身の守り方− 鈴木仁美著 丸善2004年
 私たちの身の回りの物質は、純物質と混合物に分類することができます。そして身の回りの物質のほとんどは混合物です。化学という学問は、混合物を分離して純物質として取り出し、純物質の性質を詳しく調べ、複数の純物質を計画的に混ぜて反応させて有用な純物質や未知の新規純物質を合成するといったことをする学問です。純物質がどのような性質を持つのか、どのような物質と混ぜた場合にどのような事故が発生するのか、化学を学び化学の実験・研究を進めていく上では、過去の事故・危険の事例をよく学び、理解することがとても大事です。
学生のための 化学実験安全ガイド 徂徠道夫ほか著 東京化学同人2003年
 事故の原因となる化学物質の性質、同じく事故の原因となる実験器具の注意点などを簡潔に説明、安全に化学実験をするために必読の書。
有機化学反応と溶媒 奥山格著 丸善1998年
 合成化学の研究では、溶媒の選択はとても重要です。溶媒について理解を深めることができ、研究現場で溶媒を選択する際に役立つ一冊です。
溶剤ハンドブック 浅原照三ほか編 講談社サイエンティフィク1976年
 溶媒の辞典です。実験室の現場ではよく使う本です。
コンパクト判 溶剤ポケットブック 有機合成化学協会編 オーム社1997年
 コンパクトなポケットブックとは言ってもけっこうな厚みのある溶媒辞典で、とてもポケットには入りません。見やすく詳しい溶媒辞典であり、化合物を合成する現場ではとても便利な一冊です。本書は1994年に発行された「新版 溶剤ポケットブック」のコンパクト版であり、前述の溶剤ハンドブックに比べて各種デ−タが新しいのも特徴の一つです。

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セレンディピティー
セレンティップの三人の王子 Elizabeth Jamison Hodges翻案 バベル・プレス2004年
「セレンディピティー(serendipity)」という言葉は、18世紀にイギリス人作家Horace Walpoleによって作られた英単語で、本書のおとぎ話が語源です。このおとぎ話の中で3人の王子は、成長の過程で徳、知恵、学問の研鑽を積み、慎み深く賢い大人となり、王位を継ぐための教育の仕上げとして王国を出て、世界を旅することになります。ドラゴンなどの危険な怪物を退治する液体の強力な薬の調合方法の書かれている巻物を探してきなさいと父親である王様に言われ、幾多の困難に出会いますが、求めていなかったものをいつも偶然や賢明さによって見つけ出し、困難を乗り越えていきます。
セレンディピティー −思いがけない発見・発明のドラマ− Royston M. Roberts著 化学同人1993年
化学の世界、特に新しい化合物を合成していく研究での発展は、その大部分がセレンディピティーによっていることがよく分かります。狙ったとおりにならないのが化学の合成で、それこそが研究の醍醐味です。化学以外の分野(たとえば考古学、天文学、医学)も含めて、歴史的セレンディピティーを多数紹介、思いがけない発見・発明のドラマを臨場感たっぷりで味わえる本です。
化学に魅せられて 白川英樹者 岩波書店2001年
2000年10月にノーベル化学賞を受賞された白川先生が、化学の魅力を先生ご自身の実体験を通して紹介、化学の研究とセレンディピティーとの関わりについての章もあり、化学を志す学生には価値あるお薦めの一冊です。
創造的発見と偶然―科学におけるセレンディピティー 科学のとびら (17) Gilbert Shapiro著 東京化学同人1993年
セレンディピティーの7つの実話、X線、電磁気学、ペニシリン…などにおける発見の逸話を集めた。
天才科学者はこうして生まれた 創造はセレンディップ? Richard P. Brennan著 丸善2001年
20世紀物理学の革命的躍進で重要な貢献をした6人の物理学者を紹介、革命的アイデアがどうして生まれたのかを解き明かす。アインシュタイン、プランク、ラザフォード、ボーア、ハイゼンベルク、ファインマンが登場。

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辞典・辞書
理科年表 文部科学省国立天文台編 丸善(毎年最新版を発行)
 とりあえず必要なデータは、ここに最新のものが載っています。これも中学校の時から、ほぼ毎年買っています。周期表の元素が増えたり、原子量の値やノーベル賞受賞者リストが更新されたりするのが、嬉しかったものです。現在では、CD-ROM版もあります。
三省堂 化学小事典 第4版 三省堂編修所編 三省堂1993年
 私が高校時代に愛用していた化学事典(私が使っていたのは第3版)です。必要なときに必要なことが得られる無駄のない事典、いつもポケットに入れておりました。大学時代にも利用価値は高く、ボロボロになるまで使いました。
理化学辞典 岩波書店
 痒いところに手が届くように、専門語句を解説してくれる辞典。同社の生物学辞典とともに、CD-ROM版もあり。理科、科学、化学の世界で生きて行こうと思っている方なら、これは必携の辞典でしょう。
化学大辞典 東京化学同人
 値段は高いですが、化学の最高峰辞典の一冊。私も大学生時代、食費を切りつめてお金を貯めて、この辞典を買いました。何でも載っている信頼できる辞典ですが、重すぎるのが玉にきず。机上に置かずに手でもって使うと筋肉がつきます。CD-ROM版の発売を心待ちしているのですが・・・。

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大学生向け書籍
科学者を、めざす君たちへ〜科学者の責任ある行動とは〜 米国科学アカデミー編 化学同人1996年
 科学者・研究者として生きて行こうと思う方には、一読を勧めます。
科学研究ガイド R. J. ベイノン著 化学同人1998年
 充実した大学院生活をおくるためには、読んでおいて損はない本。

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歴史・人物・伝記
日本の化学と柴田雄次 田中実著 大日本図書1975年
 言わずとしれた日本の錯体化学の開祖・柴田雄次先生の足跡を中心に、その時代前後の日本の化学を詳細に記載。この時代あって現在の日本の化学があるという化学史の時間軸が見えてきます。日本の無機化学、錯体化学は、地球化学、分析化学と渾然一体となって始まったことがよくわかります。
ノーベル賞の周辺 米澤貞次郎ほか著 化学同人1999年
 岡山シンフォニーホールで拝聴した福井謙一博士のご講演(岡山理科大学の記念行事)を思い出します(この講演の録画ビデオは、理大図書館にあり視聴できます)。福井先生がノーベル賞受賞に至る物語。読み出したら止まりません。
化学史 竹内敬人著 放送大学教育振興会1993年
 化学史がよくまとまっている好書。
化学者 池田菊苗 漱石・旨味・ドイツ 廣田鋼蔵著 東京化学同人1994年
 明治34年、池田菊苗は留学先ドイツからの帰途、英国・ロンドンに立ち寄り、夏目漱石と50日余、同宿したという。旨味(味の素)の発見者として著名な池田菊苗の物語。
マリス博士の奇想天外な人生 キャリー・マリス著 早川書房2000年
 ノーベル化学賞受賞者マリス博士が語る、抱腹絶倒の自伝。
キュリー夫人伝 Eve Curie著 白水社1988年
 ラジウムの発見者として世界的に有名な科学者であったばかりか、聡明な娘、良き妻、慈しみ深い母でもあった崇高な女性の物語。
レントゲンとX線の発見 青柳泰司著 恒星社厚生閣2000年
 X線の発見・・・その衝撃が当時いかに大きかったか。興味深い史実とエピソードを豊富に紹介。
バックミンスター・フラーの世界 ジェイ・ボールドウィン著 美術出版社2001年
 炭素原子60個からなる球状分子C60といえば、バックミンスター・フラーレンのこと。R. バックミンスター・フラーの多才で奥の深い世界を探訪できる。
洋学者 宇田川家のひとびと 水田楽男著 日本文教出版1995年
 岡山文庫174。日本に初めて本格的な化学を紹介した宇田川榕菴を中心に、宇田川家のひとびとの歴史と業績を詳細に紹介。津山は法界院駅から津山線に乗ってすぐに行けますから、休日等に本書を片手に散策してみるのはいかがでしょうか。日本の化学の源流が岡山に縁あることを知るだけで、十分に意義あることです。
シーボルトと宇田川榕菴 高橋輝和著 平凡社2002年
 現在日本語で使われている科学用語(化学用語)のうち、宇田川榕菴の考案した用語は数多い。シーボルトと宇田川榕菴の江戸蘭学交遊記。
人物科学の歴史[日本編]宇田川榕菴/江川太郎左衛門 科学・技術の飛躍 奧山修平監修 ほるぷ出版1992年
 子ども向けの漫画書籍であるが、宇田川榕菴とその時代の流れがよくわかる。

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化学の雑誌
現代化学 東京化学同人
私は中学校の時から、この雑誌を読み続けています。1971年頃創刊、創刊号から理大図書館に所蔵されています。この雑誌には、1971年頃から現在に至るまで、化学用語を題材にしたクロスワードパズルが連載されています。中学生の頃は、なかなか解けなかったパズルですが、高校生の頃には三省堂の化学小事典(第3版, 1983年3月)を頼りにだいぶ解けるようになり、化学用語が自然に身に付きました。語学の学習で辞書を引く大切さはよく言われますが、化学でも同じですね。
化学 化学同人
「現代化学」より古くから続く伝統の雑誌。読みやすい文体、基礎も大事にした記事が目立ちます。2004年からはデザインや内容が一新し、興味津々度が急上昇しました。

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理科・科学・化学のQ&A
なぜでしょう科学質問箱 日本放送協会編 法政大学出版局1960年〜
NHKのラジオ放送“なぜでしょう”の録音を活字化したものです。私は中学時代、この本で理科全般の知的好奇心を刺激されました。第1巻〜第5巻。
化学なんでも相談室 山崎昶著 講談社1981年
ブルーバックス B-462 
化学とんち問答 米山正信著 講談社1991年
ブルーバックス B-857
大問題! 東京理科大学編 ぺんぎん書房2004年
東京理科大学の理科系スタッフがいろいろなクイズを考案、クイズの答えは詳細に記述してあります。
身近なモノの100不思議 左巻健男編著 東京書籍1997年
身近なモノのしくみ、なりたち、原理を分かりやすく説明してくれます。東京書籍の100不思議・100の知識シリーズは他にもいろいろなものがあります。
Quizでわかる化学 なぜ?がわかれば面白い 碧山隆幸著 ベレ出版 2005年
化学科のみなさんなら、全問正解して欲しいクイズです。それでも、案外知らなかった、ということは誰しもあるものです。本書の問題をどんどん解いて、自分の“知らなかった”を発見してみましょう。

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理科・科学・化学の随筆・読み物
物理の散歩道 ロゲルギスト著 岩波書店
続・物理の散歩道、第三・物理の散歩道、第四・物理の散歩道、第五・物理の散歩道もおすすめ。今でも古書店によく並んでいます。
ケミカル・メタモルフォーシス 遠藤徹著 河出書房新社 2005年
本書を読みながら、人間社会の中での化学物質の歴史と現状について、いろいろと考えてみてはいかがでしょうか。

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